Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme
植物には世界に通用する学名というものがあるが、その時分にはまだ日本では新種の植物に新たにこの学名をつける日本の学者は殆どなかった。そこで第七冊からは私は新たにこの学名をつけはじめ、欧文で解説を加え、面目を新たにして出すことになった。その時、親友の池野成一郎博士はいろいろ親切に私の面倒を見てくれた。
その時、今は故人となられた杉浦重剛先生に御目にかかってこの矢田部氏の一件を話すと、先生も非常に同情して下すって、
「それは矢田部君が悪い。そんな事をするなら、一つ『日本新聞』にでも書いて、懲らしてやるがよい」
「日本新聞」といえば、当時なかなか勢力のあったもので、それに先生の知人がいるということであった。それからやはり先生が関係しておられたのであろう「亜細亜」という雑誌で、矢田部の著書より私の方が日本の植物志として先鞭をつけたものであるというような事が載った。これも杉浦先生の御指図であったそうである。
またある時、矢田部氏の同僚である菊池大麓博士にこの事を話したところ、
「それは矢田部が怪しからぬことだ」
と、私に大変同情して下すったこともある。こうした苦難の間にも、私はとにかく矢田部氏に対抗しつつ、出版を続けて十一冊まで出した。