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Japanische Klassiker mit Furigana

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まきのとみたろうじじょでん

牧野富太郎自叙伝

牧野 富太郎

Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme

Aozora Bunko

それで博士が、ていちょうに上げて見ると、それが何と理学部植物学教室のただの事務員(著者註、この時使いしたのは植物学教室の助手M・Sの二氏であった)なんだ。そして何を言い出すかと思うと、あの無邪気でのんきな老先生に向って、先生は、もう、先日来、適当の機会に辞表を出したいと言っておられたが、大学でも待っているから、早い方がいい、今日辞表を出してくれないか、という主旨の申込みなんだ。

しかもその間には、七十八歳の高齢の博士に対して、ずいぶん、失礼な言辞があったらしい。それで、さしも日頃のんきな老先生も、カンカンになって、その無礼に対し怒り出し、また博士の家のおとなしいお嬢さんも、となりの部屋でただ聞いているには忍びなくなって飛び出し“何という失礼なことをあなたは老人になさるんです! お帰りなさい、お帰りなさい!”と、とうとう大声で泣き出してしまったという秘話まであるんだ。そこで、若い事務員は、ほうほうの態たらくで、大学へ逃げ帰ったんだが、一本気の牧野先生は、もう腹の虫がおさまらないで、サッサと辞表を提出してしまったんだ。博士も先日東大で発表したように、どうせ、もう大学を辞めてもいいと思っていたし、御自身は大学に対しては、ちっとも未練はなかったんだよ。