Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
彼の好奇心はハチ切れそうにふくれ上った。
「ところで、八月二十三日に君とホテルへ出かけたのは、おひる少し過ぎだったね。二時頃だと思うのだが」
品川はまだ八月二十三日にこだわっている。
「そう、その時分だった」
「それから夕食を一緒にやったんだから、君と別れたのは日暮れだった」
「ウン、日が暮れていただろう」
「これ丈けの事実をよく記憶して置いてくれ給え。この時間の関係が非常に重大なんだ。アア、それから念の為に云って置くが、京都東京間を一番早く走る汽車は特急だね、それが十時間以上かかるということだ」事の仔細を悟ってしまった青木には、品川のこのくだくだしい説明が、うるさかった。それよりも、早く問題の「怪紳士」の写真が見たくてたまらなかった。
「アア、ここだここだ」品川が車を止めた。降りると、広くガランとした大通りに、誠に田舎びた、粗末な活動小屋が建っていた。
二人は一等の切符を買って、二階席の畳の上に、ジメジメした座蒲団を敷いて貰って坐った。幸なことに、丁度これから問題の「怪紳士」が始まる所であった。
写真が映り始めた。浅草の本場へは、二週間も前に出た、時期おくれの写真である。