Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
殺人者自暴自棄の梯子酒を飲み廻ること
そして、さっきのままの姿で俯伏している幽霊男の死骸を見た。
「アア、俺は人殺しだ」
ゾーッと氷の様なものが脊髄を這い上った。彼はその時になって、やっと彼の犯した罪を感じたのだ。
「アア、もう駄目だ」
頭の中で、あらゆる過去の姿が、地震の様にグラグラとくずれて行った。
彼は何を考える力もなく長い間突立っていた。
「だが、若しかしたら、こいつ死んだ真似をしていて、今にワッと飛び上って、俺をおどかす積りじゃないかしら」
ふと変なことを考えて、彼は死骸に近づき、その顔を光の方へ、ギュッとねじ向けて見た。だが、白茶けた羊皮紙の様な顔は、笑わなかった。笑う代りに、どうかしたはずみで、ガックリと顎が落ちると、開いた口の白い歯の間から、絹糸みたいに細い血が、ツーッと頬を伝って流れた。
それを見ると、愛之助はヒョイと手を放して、その辺に突当りながら、いきなり戸外へ飛出し、前の広っぱを人家の方へ、えらい勢で駈け出した。
殺人者自暴自棄の梯子酒を飲み廻ること
それから一時間程して、愛之助はフラリと別宅の格子戸の前に立った。どこで車を降りたのか、どこをどう歩いたのか、無我夢中であった。