Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
不可思議力
「のいて下さい。あなたは誰です。一体誰です」
雪江は父を睨みつけながら、一生懸命に云った。
「誰でもない。お前のお父さんだよ」
「違います。違います。……お父さまじゃない。……アア、怖い」
雪江は気が違いそうだった。確かに父の顔を持った男が、どこかしら父ではないのだ。
ハッと思う間に、世界一杯の白髪鬼が、恐ろしい形相で飛びかかって来た。彼女はもう振ほどく力はなかった。気を失った様に、たわいなく、されるがままになっている。
再び身動きもならぬ抱擁、顔に降りかかる男の息、父とは違ういとわしい匂、そして、ヌメヌメと不気味な唇の触感。…………
不可思議力
裏門の騒ぎというのは、職工風の男が、ジロジロ邸内を覗き込んでいるので、見張りの刑事が引捕えて検べようとすると、いきなりピストルを取出して手向いをした。勇敢な一刑事は賊に組みついたが、一振りではね飛ばされてしまった。
賊はピストルを構えて、グングン邸内へ這入って来る。騒ぎが大きくなった。家中の男子が現場へはせつけた。相手は一人だけれど飛び道具を持っているので、うかつに近寄れぬ。人々は彼を遠巻きにして騒ぎ立てた。