Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
人殺しが残っているだけだった。だが君はそこまで進む勇気が無かった。無くって仕合せさ。でなければ今頃は刑務所か首吊台だぜ。その出来ないことを見事にやって見せた。君のため又僕のためにね。君はそれで暫く退屈を忘れ切ることが出来たし、僕は僕でまた、君のような利口なやつをだましおおせる楽しみを、つくづく味わったのだからね」
愛之助の目はまだ空ろであった。彼は信ずべからざる事柄を信じようとして苦悶していた。
「何もかもトリックさ。という意味はね、先ず九段のスリだ。あれは僕だった。態と君の傍へ行って呼びかけさせ、人違いらしく見せかけたのさ。石垣の中にあった財布は別にスリを働いたものじゃない。古道具屋に頼んで買い集めた古財布にすぎなかった。
東京のホテルで君と昼飯を食っていた僕が、同じ日京都で活動写真に撮られていたというのも嘘だよ。あれは心易い映画監督に頼んで、ああいう手紙を書かせたのさ。態々京都へ行って群集に混って映画に入ったのは別の日なんだよ。これも同じ監督の好意でね。考えて見れば僕という男も酔狂さね。
麹町の例の覗き一件は、僕の最大の力作だった。最初君が一人で覗いた時に、馬になってはい廻ったのはかく云う僕だ。