Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
愛妻の芳江は同伴することもあり、しないこともあった。
先ず最初は東京での出来事である。
大学以来の友達に(愛之助は東京大学を出たのだ)品川四郎という男があった。貧乏人の息子であったから、大学を出るとすぐ職を求め、ある通俗科学雑誌社へ這入ったが、いつの間にかその雑誌を自分のものにして、自分の計算で発行する様になっていた。相当利益も上るらしい。
彼も商売が商売だから、猟奇を好まぬではなかったが、どちらかと云えば正常な男で、青木の出鱈目な生活を非難していた。殊に猟奇倶楽部という様なものには反対で、そんな馬鹿馬鹿しいことをいくらやったって、退屈が治るものかと、軽蔑していた。彼は実際家であった。
彼の猟奇は実際談であって、青木とレストランで飯を食う時など、よく検べた最近の犯罪談などを話して聞かせた。
愛之助の方では、品川のその実際的な所を軽蔑した。犯罪実話なんて退屈だからよせと云った。そして彼の好きな、荒唐無稽な怪奇の夢を語るのであった。
つまり彼等はお互に軽蔑し合いながら、どこかしら合う所があって、変らぬ交りを続けていたのである。
ところが、ここに、そう云う性質の彼等の、どちらもが、非常に昂奮して、夢中になってしまう様な、怪事件が起った。