Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

「坊さんなんて、ありがたいもんやな。蜜柑の食べ方一つ知んなはらん。どれ、わしが教えてあげまっさ。」

農夫は蜜柑の皮をむいて、あらためて中味を善光の手にかえした。

善光はそれを一口に頬張った。その口もとを見つめていた農夫はいった。

「なかなかおいしおまっしゃろ。」

善光はそれには答えないで、蝦蟇のような大きなおとがいを動かしながら、じっと後口を味っていたが、まだ何だか腑に落ちなさそうなところがあるらしく、ちょっと小首をかしげた。

「申しかねますが、今一ついただけないでしょうか。」

農夫は黙ってまた二つの蜜柑を枝からもぎとった。善光はそれを二つとも食べてしまって、初めて合点したようにいった。

「なるほど蜜柑というものはうまいものですな。」

旅の僧に初めて蜜柑を味わせたその喜びをもって、農夫がもとの樹かげに帰って往くと、善光は手を伸ばして道に落ちている蜜柑の皮を、残らず拾いとってふところに収めた。

「これ、これ。そんなもの拾うたかて、食べられやしまへんぜ。」

農夫の声が樹かげから聞えた。善光は声のする方にふりむいた。

「いや、持って帰って陳皮にするのです。」

善光め。