Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
小鳥
いや、お前の立っているその木かげの湿っぽい空気を、自分のものにしようとも思うものでないことは、よく私が知っている。
お前はただ実の赤さをよろこび、実の重みを楽んでいるに過ぎない。お前は夕ぐれ時の木蔭に、小さな紅提灯をともして、一人でおもしろがっている子供なのだ。
持って生れたいささかの生命をいたわり、その日その日をさびしく遊んで来たまんりょうよ。
またしても風もないのに、お前の小さな紅提灯が揺れ、そしてまた私の心が揺れる。
小鳥
春の彼岸過ぎのことだった。
どこをあてどともなく歩いていると、小さな草の丘に出て来た。丘は新芽を吹き出したばかりの灌木に囲まれていて、なかに円く取り残された空地に、かなり大きな桜の老木が一つ立っていた。
それを見ると、私は思いがけないところでむかし馴染に出あったような気持で、邪魔になる灌木を押し分けながら、足を早めてその樹の側に近寄って往った。そして滑々した樹の肌をひとしきり手で撫でまわした後、私はそっと自分の背を幹にもたせかけた。
枝という枝は、それぞれ浅緑の若葉と、爪紅をさした花のつぼみとを持って、また蘇って来た春の情熱に身悶えしている。