Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
魚の旅
いつも室の片隅から客に応対することしか知らない「女」を、大勢の群集のまんなかに引張り出すと、「女」は自分の背後を気にして、しきりと帯の結び目のあたりを撫まわしたりするものだが、ちょうどそのように、庭の片隅から日光のただなかに引越して来た山茶花は、小枝の少い自分の背後を気にして、出来合いの見すぼらしい花を三つ四つつけて、やっとばつを合わせているような恰好だ。
寂しい花だ。
魚の旅
魚の水を離れたようなものだ。――とは、頼りを失って、手も足も出ない場合に用いる言葉だが、しかし魚のなかには、水を離れても、ある期間は立派に生き存えているのがある。南アメリカの熱帯地方に棲んでいるある魚族は、池が狭くて、やけくそな太陽の熱に遠からず水が干上ろうというおそれがある場合には、あらかじめそれを感づいて、もっと広く、もっと冷い水をもとめて、漂泊の旅に上る。そして森の湿地から湿地へと、幾百という魚が群をなして、夜を日に継いでぞろぞろと動いているということだ。
私も一度山越しの夜道に、草鞋の底で長い縄片のようなものを踏えたことがあった。手にさげた提灯の明りをさしつけて見ると、それは砂まみれになった鰻だった。