Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

3

出納係の若い男は、小切手から離した眼を、窓の外に立っている男に移して、じろじろとその顔に見入った。

「失礼ですが、あなたが Jefferson さん御当人だとおっしゃるのは。」

俳優はそれを聞くと、ちょっと眼をぱちくりさせたが、急に舞台に立っている折のように声に抑揚をつけて、

“If my leedle dog Schneider was only here, he'd know me.”

と流れるように言った。

「いや、間違いはございません。」

出納係は喜ばしそうに叫んだ。そして小切手はすぐに正金に換えられた。

3

明の詩画家許友は、ぶくぶくに肥った背低で、身体中に毛といっては一本も生えていなかった男だが、人が訪ねて来ても、それに答礼するでもなく、そんな交際には一向無頓着であった。あるとき客が来て、詩だの画だのいろんな話をして帰って往ったが、その後で許友は家の者に、

「今のは何という男だったかな。」

と訊いたので、

「あなたの御存じない人が、私に判ろうはずはありません。」

というと、許友は禿げた頭に手をやりながら、

「俺には一向覚えがないでな。」

と呟くように言ったということだ。