Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

詩人の喧騒

詩人の喧騒

支那の西湖に臨んで社廟が一つ立っている。廟の下手は湖水に漁獲をする小舟の多くが船がかりするところで、うすら寒い秋の夜などになると、篷のなかから貧しい漁師達が寝そびれた紛れの低い船歌を聞くことがよくある。

月の明るいある夜のことだった。そこらに泊り合せた多くの船では、漁師たちはもう寝しずまったらしく、あたりはひっそりして何の物音も聞えなかった。その中に皆の群から少し離れて、社廟のすぐ真下に繋いだ小舟では、若い漁師がどうしたものかうまく寝つかれないで、唯ひとりもぞくさしていた。

若い漁師は所在なさに篷を上げて外を見た。水銀のような青白い光の雫は、細かく湖の上に降り注いで、そのまま水に吸い込まれているようだった。時々小さな魚が水の面に跳ね上るのが見られたが、水泡の爆ぜ割れる微かな音一つ立てなかった。

「静かな夜だなあ。」

若い漁師は寒そうに首を竦めて、覚えずこう呟こうとして、そのまま口を噤んでしまった。少しでも声を立てて深い寂黙を破るのが、何だか気味悪く感じられたのだ。

漁師はまたもとのように篷の下に潜り込もうとしたが、ふと近くに何だか得体の分らない、怪しい騒めきが始まったのを聴きつけて、覚えず半身を舷から乗出すようにして聴耳を立てた。