Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
「先生方の詩論とやらは、いずれは高尚で結構ずくめなものだろうが、それも処と相手とを吟味した上でなくっては。今夜のところはこのままさらりと水に流そう。が、その代り以後はちと場所柄をわきまえるようにしてもらいたいものだて。」
それを聞くと、雑人方は、草の枯葉が共擦れするような、微かな気配を立ててひそめき出した。若い漁師は眼をつぶらにして社廟をふり仰いで見た。青白い月明りが薄絹のようにたよたよと顫えている後壁の隙間から、魚の腹のような冷い燐火が、三つ四つ続けさまにふらふらと飛び出したかと思うと、その瞬間、
「き、き……。」
と二十日鼠の笑うような声が低く聞き取られたように思った。
その後から、青と赤との衣を着た人がのっそりと二人出て来た。詩人だなと思って、若い漁師は伸び上るようにしてその顔を見ていたが、それが誰だったかに気がつくと、慌てて首をすくめて眼を伏せた。
「何だ。那奴じゃないか。こないだ鳶が空から取落した奴を、松江の鱸だといって、うまく騙して売りつけてやった、あの露次裏の老ぼれじゃないか。」
詩人二人は、そんなことに気がつこうはずがなく、口の中で何かぶつくさぼやきながら、霧の中に見えなくなってしまった。