Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
それも杉や樅などと異って、群生したからといって、同じ高さで同じ恰好に成長するのではなく、集団的生活を営みながらも、持って生れた自分の本性を損わないで、めいめい勝手にわが欲するがままに背を伸ばし、手を振りかざしている。全体として緑青と代赭との塊りとしか見えない松木立も、そのなかに入ってよく見ると、それぞれの樹が性向と姿態とを異にしているのに驚くことがよくある。多くの樹木が女の顔立と同じように、老齢の重みに圧されると、唯もう醜くなるのみなのに較べて、松の樹は男の容貌と同じように、歳とともに鍛錬せられゆく性格の重みを加え、環境との争闘から生じた痛ましい創痕を、雄々しくもむき出しに見せつけている。
松はこうした際立った性格のために、人間に愛敬せられるとともに、また松脂くさいその葉の呼吸で、あたりの大気に新鮮さを放散し、人間の気分に一味の健かさを与えている。私はこれまで自分の心に憂鬱の雲がかかると、いつもきまったように松木立のなかに入って行くことにしているが、松脂の香気に充ちた空気を胸一杯に吸い込むと、憂鬱は影もなく消えてゆき、心はいつのまにか気力と新鮮さとを取り返している。