Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
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むかし、足利尊氏は洛西等持院の境内にあった一本の松をこの上もなく愛していた。それはほととぎすの松といって、ほととぎすが巣をかけたことのある名木だった。実をいうと、この鳥はどんな場合にも、自分では巣を組まないで、鶯の家へこっそり卵を産み落し、雛をかえさせるので知られているほどだから、ほととぎすの巣だというのも、詮じてみれば鶯のそれだったかも知れないが、そんな詮索はどうでもいいとして、尊氏は愛賞のあまり、鎌倉へ下向の折にも、この樹のみはわざわざ持ち運ばせるのを忘れなかった。すると、鎌倉滞在中は樹に何となく生気がぬけていたが、主人の上洛とともに等持院に帰って来ると、急にまた元気づいて、葉の色も若やいで来たということだ。
私が松木立のなかに立って、持病の憂鬱がとみに軽くなるのを覚えるのは、ちょうどこのほととぎすの松が、寺の境内に帰って来て、生気を回復するのと同じように、ここに一つの郷土を感ずるからなのではあるまいか。ともかくも、それほどまでに松脂のにおいは、私たちの生活の奥深く滲み透っているように思われる。
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松茸の蒸すようなにおいは、私をしてこんなことまでも聯想させた。