Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
その瞬間、深い紺色の空の彼方から、小石のようなものが一つ飛んで来て、ひょいと上枝にとまって、身軽に立ちなおったのを見ると、それは一羽の小鳥であった。鳥は黒繻子のような縁をとった灰色の羽をしていた。私は名も知らないこの小さな遊び仲間を眼の前に迎えて心より悦んだ。
むかし支那に焦澹園という儒者があった。多くの学者のなかから擢んでられて東宮侍講となったが、あるとき進講していると、御庭の立木に飛んで来て、ちろちろと清しい声で鳴く小鳥があった。東宮は眼ざとくそれを見つけて、枝移りするその身軽い動作に心を奪われているらしかった。それに気がついた焦澹園は快からず思って、いきなり進講をやめてしまった。侍講の熱心な言葉が急に聞えなくなったのに驚いた東宮は、自分の仕打に気づいて、残り惜い思いはしながらも、またもとのように居ずまいを直した。侍講はやっと安心したように再び講義を続けたということだ。
儒者焦澹園のつもりでは、かりにも聖賢の道を聞いている途中で、東宮ともあろうものが、小鳥の素振に気をとられるなどとは、怪しからぬことだというにあるらしいが、しかし、ほんとうのことをいうと、東宮はいいものを見つけたので、侍講は何をさしおいてもそれをほめなければならないはずなのだ。