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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

自分はこの無口な老人に一言をも費やさしむることなくして、一目見てただちにそれが沼辺氏の遺臣であることを知った。すなわち偶然に討死をしなかった勇士の子孫である。人首の嶺の北は径に富んだ小友の山地である。天下がもし乱れたとすればいたずらに麓の館に立て籠ることは地形が許さなかった。即座に峠を越えて隣領に、小勢を顧みず斬り込まねばならぬ大切な切所で、それゆえにこそいわゆる頼みきったる宗徒の面々を、伊達家でもこの辺境には置いたのである。

今日すでに無用に帰したのは、単に過去の理想の壮烈さだけである。世の中が変わったとても、村人がひき続き旧物を敬愛するには少しも差し支えがない。ただ日本人がこれを名づけて史蹟記念物の保存という場合のみに、自分などには若干の異議があるのである。保存というからには捨てておけばなくなる物でなければならぬが、万人仰ぎみるともいうべき人首唯一の話柄に、はたして保存の必要があるかどうか。高輪の泉岳寺が今の倍数ほどの借家を建て、同時に門前のお土産屋が一軒もなくなったとて、府や市が石の榜示を立てなければ、四十七士の墓所の不明になる危険はないはずだ。