Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
三
風景でも人情でも恋でも述懐でも、常にこのとおりの課題があり、常にその答案の予期せられていたことは、天台の論議や旧教のカテキズムも同様であった。だから世にいうところの田園文学は、今にいたるまでかさぶたのごとく村々の生活を覆うて、自由なる精気の行き通いをさえぎっているのである。
三
白状をすれば自分なども、春永く冬暖かなる中国の海近くに生まれて、このやや狭隘な日本風に安心しきっていた一人である。本さえ読んでいればしだいしだいに、国民としての経験は得られるように考えてみたこともあった。記憶の霧霞の中からちらちらと、見える昔は別世界であったが、そこには花と緑の葉が際限もなく連なって、雪国の村に住む人が気ぜわしなく、送り迎えた野山の色とは、ほとんど似もつかぬものであったことを、互いに比べてみるおりを持たぬばかりに、永く知らずに過ぎていたのであった。七千万人の知識の中には、こういう例がまだいくらもあろうと思う。故郷の春と題してしばしば描かれるわれわれの胸の絵は、自分などにまっ先きに日のよく当たる赤土の岡、小松まじりのつつじの色、雲雀が子を育てる麦畠の陽炎、里には石垣のたんぽぽやすみれ、神の森の木の大がかりな藤の紫、今日からあすへの境目も際立たずに、いつの間にか花の色が淡くなり、樹蔭が多くなっていく姿であったが、この休息