Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

昔は大黒さまの風呂に入っておらるるところを描いて下さいといって、画工を困らせた人があった。なるほどあの福神の頭巾の下は、今もって明瞭ならぬ厄介な問題である。画家にして同時に喜田博士でないかぎり、引き受けにくかったのはもっともである。またある時大津の浜において、一尾の塩鮭を肌に取り隠して露顕した小冠者が、慨歎してこういったそうである。いかなる女御更衣とても、こう素裸にして見たなら干鮭の一匹ぐらいは出てこようと。われわれの皮相のはたして真相なりや否やを確かめるに際して、かりに伯竜が天女の浴みを窺ったまでの機会はないにしても、初めては同情の目をもって、奥州の奥の女を見てあるかねばならぬ。ことに国民の主流が暑い南から来たとすればなおさらそうである。

まず第一に思うのは、名前に囚われるわれわれの癖である。風俗野卑なりなどと書く紀行家に言わせると、湯巻の上に襦袢一つ、細帯代りに前掛を締め、寒ければちゃんちゃんをはおるなどと報ずるのが普通であろう。なるほどその通りで、おまけにこんな失礼ななりでともことわらぬようだが、全体右に列挙した日本語は正しいか古いか。昔の語でならばたぶんはこう言わねばなるまい。