Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

男鹿半島遊跡の地図

まだ学校にいた時分のことだそうな。町田(忠治氏)が病気をしてちっとも出てこないから、引っぱり出しに出かけて、しばらくあれの家に世話になっていた。その間に一人で男鹿に遊びに行った。山は三つとも登ってみたという。

随分元気のいい痛快な旅行であったらしい。途中までは会津に帰る林権助氏などもいっしょであった。汽車のまだない時代の長い道中を、内田さんは草鞋というものをはかない主義であったそうな。男鹿の本山にも下駄ばきで登ったのである。

山では路がわからなくなって大きに弱った。しかしどっちみち海岸には出るにきまっていると思って、構わずにぐんぐん降りて行くと、はたして里があって多勢の女が田の草を取っていたが何を尋ねても一言も通じないので、これにはかえって閉口をしたと言っている。

そう聞くと何か男鹿の農民が、この未来の名士に対して相済まなかったように聞こえるが、なアに、内田さんも熊本県出の書生だった。言語不通の責任は五分五分であったろうと思っておかしかった。

私は先月男鹿から帰って来て、もう大分多くの友人にあの山水を説法した。自分としても内田さん同様に、まだ四十年ぐらいは持ちそうな印象がある。