Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
会津実相寺の残夢和尚のごときも、辞世を示して立派に成仏し、寺では葬式もすませたのに、二十年ほど後に不思議なことがあるので墓を開いて見ると、空棺であったと伝えられる。あるいはまた会津の人が駿河の三保松原でこの和尚に逢った、相変わらず源平時代の話をしていたなどともいっている。つまりは早くから、多くの人が言うことが一致してはいなかったのである。
ゆえにその一例として見れば、驚くに当たらぬようなものだが、正徳二年に始めて世に出た『義経勲功記』は、やはりその残夢の話だと称しているのである。余程のうそつきらしいが編者馬場信意なる者、この書に序していわく、「友人安達東伯久しく奥州に在り、一日老翁の来り訪ふ者あり、字里行蔵を言はず、里人も亦知るなし、相馴るゝこと久しくして終に海尊なることを知れり云々」とあって、この書をもって東伯の筆記だというのである。この海尊は後に名を清庵主と改め、今また残夢というとあって、会津からでも出てきたかのごとく粧うているが、しかも長命の原因はまた衣川の人魚の肉であり、その時の釣仲間は武蔵坊、帰りてその一片を源公に献じ公もまたこれを食す。