Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
日本においても昔話は冬のものであり、かつ夜分にするものときまっていたのは、本来は必ず囲炉裏に火を燃す時の儀式であったためかと思う。すなわち横座の主は家の火の管理者であると同時に、さらに先天的に夜話の議長であり、かつこの伝統教育の学校長でもあったかと思うのである。
ゆえに家より外で焚いた火を炭にして、持ち込んでくるということは革命であった。三宝荒神の信仰に統一の力がなくなったことを意味するのみならず、炭に伴のうて遠国の物語が、だんだんに入り込んで村里の歴史を紛乱せしめたことを、推測することも困難ではない。西洋の国々では炭焼は無口な山人としてゆかしがられているが、われわれの中には反対の例が多い。例えば佐々木喜善君の『江刺郡昔話』などは、その大部分がかの郡から来ていた炭焼から聞いたものだという。東北の山奥には思いがけぬ地方から入って炭竈を築いて火を焚いている者が今でも多い。それからまた一方には文芸や思想の上においても、ちょうど県町村の計画をもって、製炭技術の講習会を開催すると同じように、縁もゆかりもなかったことを教えられる場合が多い。家の火の祭壇はしだいにその信徒と供物とを、失わざるを得ないわけである。