Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
「まあ、いい。なんでも構わないから、内へはいって交渉して見よう。」
気の早い三人は先に立って門内にはいり込んだ。僕も続いてはいろうとすると、かの男は僕の腰につけている雑嚢をつかんで、なにか口早に同じようなことを繰返すのである。僕は無言でその手を振払って去った。
門はあいたが、内には人のいるらしい様子もみえない。四人は声をそろえて呼んだが、誰も答える者はなかった。
「あき家かしら。」
四人は顔をみあわせて、さらにあたりを見廻すと、門をはいった右側に小さい一棟の建物がある。正面の奥にも立木のあいだに母屋らしい大きい建物がみえる。ともかくも近いところにある小さい建物の扉を押して見ると、これもすぐにあいたが、内には人の影もなかった。
僕たちはもう疲れ切っているので、なにしろここで休もうということになって、破れたアンペラを敷いてある床の上に腰をかけた。腹はすいているが、食いものはない。せめては水でも飲もうと、四人は肩にかけている水筒をとって飲みはじめたが、午飯のときの飲み残りぐらいでは足りないので、僕は門前の井戸へ汲みに出ると、かの男はまだそこの柳の下に立っていた。