Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
」
「お店からはどなたがお出でになりましたな。」
「番頭の久右衛門に店の者五、六人を付けて出しました。」
「ほかには誰もまいりませぬな。」と、与茂四郎は念を押すようにまた訊きました。
「ほかには絵かきの文阿先生が……。」
「あ。」と、与茂四郎は小声で叫びました。「誰かを走らせて、あの人だけはすぐに呼び戻すがよろしい。」
「はい、はい。」
おびえ切っている増右衛門はあわてて店へ飛んで出て、すぐに文阿先生を呼び戻して来い、早く連れて来いと言い付けているところへ、店の者のひとりが顔の色をかえて駈けて帰りました。
「文阿先生が……。」
「え、文阿先生が……。」
あとを聴かないで、増右衛門はそのまま気が遠くなってしまいました。今日でいえば脳貧血でしょう。蒼くなって卒倒したのですから、ここにまたひと騒動おこりました。すぐに医師をよんで手当をして、幸いに正気は付いたのですが、しばらくはそっと寝かしておけということで、奥の一と間へかつぎ入れて寝かせました。内と外とに騒動が出来したのですから、実に大変です。
そこで、一方の文阿先生はどうしたかというと、大勢と一緒に鯖石川の岸へ行って、漁師たちが死体捜索に働いているのを見ているうちに、どうしたはずみか、自分の足もとの土がにわかに崩れ落ちて、あっという間もなしに文阿は水のなかへ転げ込んでしまっ