Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
「御身は漢室の現状をどう思う? また、わが将来の備えは?」
若い孫権の眸はかがやく。
魯粛は答えていう。
「おそらく漢朝の隆盛はもう過去のものでしょう。かえって寄生木たる曹操のほうが次第に老いたる親木を蝕い、幹を太らせ、ついに根を漢土に張って、繁茂してくること必然でしょう。――それに対して、わが君は静かに時運をながめ、江東の要害を固うして、河北の袁紹と、鼎足の形をなし、おもむろに天下の隙をうかがっておられるのが上策です。一朝、時来れば黄祖を平げ、荊州の劉表を征伐し、一挙に遡江の態勢を拡大して行く。曹操はつねに河北の攻防に暇なく、呉の進出を妨げることはできません」
「漢室が衰えたあと、朝廟はどうなるであろう」
「ふたたび、漢の高祖のごとき人物が現れ、帝王の業が始りましょう。歴史はくり返されるものです。この秋に生れ、地の利と人の和を擁し、呉三江を継がれたわが君は、よくよくご自重なさらねばなりますまい」
孫権はじっと聞いていた。彼の耳朶は紅かった。
その後、数日の暇を乞うて、魯粛が田舎の母に会いに行く時、孫権は、彼の老母へといって、衣服や帷帳を贈った。
魯粛はその恩に感じ、やがて帰府するとき、さらにひとりの人物を伴ってきて、孫権に推薦した。