Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
開けてくやしき
一
作爺さん、えらいことになってしまった――。
「なにを言やアがる。あの作爺さんにかぎって、そんなことのあるはずのもんじゃあねえ。でえいち乗りこんで来ている侍達が、おれの眼じゃあ、八町堀じゃあねえとにらんだ」
「それにしても、まっぴるま長屋へ押しこんで来て、ああやって爺さんを脅かしつけているからにゃア、お役筋の絡んでいる者に相違ねえ」
「いや、待て。わからねえぞ。なんだか知らねえが、預かっている物を出せとか言って、大声をあげているぜ」
とんがり長屋の入口は、わいわいいう人集り……。
残ったにしては根強い暑さかな――洒落たことを言ったもので、まったく、江戸の残暑ときちゃア、読んで字のごとく残った暑さにしては、根が深い。
いつまでも、つづく、
今日も朝から、赭銅色の太陽がカッと照りつけて、人の心を吸いこみそうな青空――。
街には、一面に土陽炎がもえて、さなきだにごみごみしたとんがり長屋のあたりは、脂汗のにじむ暑さです。
その汗を、額いっぱいに浮きださせて、
「いやいや、その方の宅に、こけ猿の茶壺をかくしてあることを、突きとめてまいったのじゃ」
わめきたっている侍がある。