Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

現われたのは、黒ずんだ桐の木箱で、十字に真田紐がかかっている。

その紐をとき、ふたをとる――中にもう一つ、布をかぶっているその布をのぞくと、

「ヤヤッ! こ、これはなんだ……!」

四人はいっしょに、驚愕のさけびをあげた。

石だ!――手ごろの大きさの石、左膳の小屋のそばにころがっていた、河原の石なんです。

ウウム! と唸った四人、眼をこすって、その石をみつめました。

しかも。

水で洗われて円くなっている石の表面に、墨痕あざやかに、字が書いてある――。

虚々実々……と、大きく読める。

下に、小さく、いずれをまことと白真弓……とあるんです。

あの丹下左膳が、チョビ安にこの壺を持たして、ここ作爺さんのもとへ預けによこした時、左膳も相当なもので、どこからか同じような箱と風呂敷を見つけてきて、それは橋下の自分の小屋へ置くことにしたと言いましたが、さては、かんじんのこけ猿の茶壺は、そっちの箱に入っていて、いまだに左膳の掘立て小屋にあるとみえる。

囮につかわれたチョビ安――さてこそ、人眼につきやすい、あのおとなびた武士の扮装で、真っ昼間、壺の箱を抱えて小屋を出たわけ。