Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
八
吉宗の政治は愚楽政治。
まことに、威令ならびなき垢すり旗本なんです。
その愚楽老人をつかまえて、
「やあ、化け物がきてるな」
という泰軒先生、怪物の上をゆく怪物か、さもなければ、こわいもの知らずのよっぽどの馬鹿か。
両方なんです、泰軒先生は。
相手に求めるところがあれば、自然、みずからが卑屈になる。
世の中から何ものをも得ようと思っていない蒲生泰軒居士、ほんとに、愚楽老人なんか、ただのかわいそうな不具者としか眼にうつらない。
しかし、
一寸法師で亀背の愚楽を、化け物とは、いくらそう思っていても、面と向かってひどいことを言ったものだが、どこへ出しても生地をむきだしの泰軒、徳川などは天下の番頭、したがって愚楽ごときは、番頭の番頭ぐらいにしか思っていないんだ。
ところが。
化け物といわれた愚楽老人は?……と見ると。
ふしぎ!
いつもお城で、大老など鼻であしらって、傲岸そのもののような愚楽が、どうしたのか、ちゃんと座蒲団をおり、両手をついて、泰軒のまえに頭をさげている。
「御無沙汰いたしております。御健勝で、何より……」
ていねいな挨拶です。不思議といえば不思議だが、考えてみれば、これは何もふしぎはないンで。