Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
無遠慮に縁側に腰かけて、微笑したあの顔。丹波の小柄をかわして、ニッとわらった不敵な眼もと……なんという涼しい殿御ぶりであろう!
植木屋であの腕並みとは?……丹波はおどろいて、平伏して身もとを問うたが。
「ああ、よそう。考えるのは、よしましょう」
と萩乃は口に出して、ひとりごとをいった。
「自分としたことが、どうしたというのであろう――お婿さまときまった柳生源三郎様が、もうきょうあすにもお見えになろうというのに、あんな者に、こんなに心を奪われるなどとは」
ほんとに、あの男は、卑しい男なのだ、と萩乃は、今まで日になんべんとなく、じぶんにいい聞かしていることを、また胸にくりかえして。
「植木屋の下職などを、いくら想ったところで、どうなるものでもない。じぶんには、父のきめた歴とした良人が、いまにも伊賀から乗りこんでこようとしている……」
でも、伊賀の暴れん坊などと名のある、きっと毛むくじゃらの熊のような源三郎様と、あのすっきりした植木屋と――ほんとうに世の中はままならぬ。でも、恋に上下の隔てなしという言葉もあるものを……。
「萩乃さん、まだ起きていたのかえ」
萩乃は、はっとした。