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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

と、その時、南条己未男は、

「いけねえ、おれはどうかしてるぞ。おい、美佐ちやんは、いつたい、なんだ、あれや……。新聞に本名が出てたからわかつたんだが、まさか、間違いじやあるまい?」

京野等志は、黙つて、うなずいた。

「やつぱり、ほんとか。おれは、ちよつと、悔みにも行きにくかつたんだ。実のところ、おふくろさんの顔をまともに見られやせんぜ。可哀そうなことをしたなあ」

京野等志は、こういう時の、南条己未男の口下手をよく知りぬいていたから、こつちも、いちいちそれに応じる手間をはぶいていた。

が、それから、話が、家族の一人一人の上に及び、南条己未男は、この日はじめて、顔をやゝ赤らめながら、奇妙な告白をしたのである。

「おれは、学生の頃、ひそかに、多津ちやんに憧れていた。多津ちやんがお嫁に行き、おれが兵隊に取られる頃まで、今度は、むやみに美佐ちやんが好きになつた。むろん、誰もそんなことは知りやしない。兵隊から帰つて来ると、美佐ちやんはもう家にいなかつた。お前と小萩さんの関係に、ちよつと似てるだろう。美佐ちやんが、芸者になつてるのを知つた時、おれは、脳天をぐわんとやられたにはやられたが、それでもまだ、芸者なら、いつかなんとかなると思つて、実は、金を溜めようと決心したんだ。