Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
今日二人が、これつきり別れたとするよ、君の提案どおり……。それからあと、君はどうするつもりだ?」
「とにかく療養所へ帰つて、ひと晩、ゆつくり、あなたとお会いしたことをもう一度想い出してみるの。生涯にたつた一度の幸福を、もしできたら、夢のなかで、もう一度味つてみるつもりだつたの」
「僕と一緒にいられるだけいようと、どうして思わないの?」
「だつて、そんなことしたら、いよいよ、別れられなくなりそうなんですもの」
「それじや、一旦、療養所に帰つて、夢でもなんでもみるとしてさ、それから先は、どうするの? 病気がだんだんよくなつたら? それとも、ほかの事情で、療養所を出なけれやならなくなつたら? 君はいつたい、どこへ行くの?」
「もう、そんなことはおきゝにならないで……。それこそ、過ぎ去つたことじやないの」
小萩は、あれほどまぢかに迫つていた死の幻影を追い払うように、低く呟いた。京野等志は、彼女のうつろな視線のなかに、すべてを読みとつた。彼は、しずかに、彼女の手をとつて言つた。
「僕の手からあなたはもう脱け出してはいけない。あなたをすべての不安と危険とから守るのは、僕の役目だ。