Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
お一人お一人はいゝ方かもしれないけど、家族の一人つていう意味では、おつきあいはごめんだわ。それ、いけない?」
「いけなくないね。ハギの自由だよ。僕は、まだ肉親の愛情つてものを、全面的に否定はしないんだ。こいつは宿命的なもんだと思つてる、人によつてはね。だから、その愛情の、ほんとの活かし方を考えてるんだ。家庭のいざこざなんていうもんは、これや、みんな、肉親の愛情の病的な現われだ。ハギの言うとおり、相手をあんまり自分流に愛し、自分流の愛情を相手に求めすぎるからなんだ」
「結局、愛し方が下手つてことになるかしら?」
「うむ、下手ということもあるが、それより、すべて、愛情そのものが、光と影の両面をもつてるんじやないかと思う。いや、愛情は常に光さ。しかし、その光がまた、常に影を作る性質をもつてるんだからね。おや、今日は、まだ電気が来ないのか」
京野等志は、もう薄暗くなつた部屋のなかを見廻してから、夕食の支度をしに、勝手へ廻つた。
四
翌朝、いつもより少し早く、京野等志は眼をさました。
日がのぼるのにはまだ間があつたけれども、半弦の月がほの白く西の空に残つて、澄みとおるように晴れあがつた山の朝であつた。