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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

Lesen Sie 地球盗難 (ちきゅうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.072 Zeichen · 168 Bildschirme

Aozora Bunko

武夫は怪我をしたらしい。そこらに彼は倒れているらしいと思われるのに、どうしたものか姿が見えない。

「ああッ。――」

お美代は急に恐ろしくなった。なにかこの辺には、自分たちの知らないような恐ろしい物があるのではないかしら、さもなければ、あのような巨大な甲虫が木の上にのぼっていたり、今までそこにいた筈の武夫の姿が見えなくなったりすることはない筈だった。そう思うと、お美代の恐怖は二倍にも三倍にも強くなった。いまにそこらの草叢の中から、大きな木ほどもある魔物の手がニュウと伸び上ってきて、自分の身体をギュッと掴むのではないか。

「あれッ。……」

とお美代は一声悲鳴をあげるなり、もう夢中になって踵をかえすと、草叢の中から飛び出した。そして後も見ず、元来た道をドンドン逃げ出していった。一体、武夫はどうしたのだろう。彼の身体はどこに隠れてしまったのだろう。

お美代の姿が木立の向うに見えなくなって、林の中はシーンと元の静けさにかえったかのように見えた。

だが、もし誰かこの林の中を、なおも見ている人があったとしたら、その人はきっと、呀ッと声をあげて、びっくりしたかも知れない。