Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Lesen Sie 地球盗難 (ちきゅうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.072 Zeichen · 168 Bildschirme
笑う怪人
……」
武夫が化石のようになってしまったものだから、下ではお美代が泣きださんばかりの声で喚いた。
「うん、お美代ちゃん。居たよ居たよ。ネス湖の怪物がいたよ」
「えッ、ネス湖の……」
「イヤ本当は甲虫のデッカイのだよ。亀かと思ったら、今までに見たこともないような大きな甲虫だ。いま叩き落とすから、目を離さないようにネ」
「アラ甲虫なの」
「さあ、叩き落とすよ」
武夫はなおも身体をのばし、腕にウンと力を入れておいて、竹も折れよとばかり巨大な甲虫をピシリとぶん殴った。続いて、第二撃、第三撃。
キッキッキイ……。
甲虫は異様な悲鳴をあげ、フラリと落ちかかる身体を支えようとして、黒光りのする太い節足をふり、刃物のように鋭い爪を樹皮に突きたてて、なおも懸命に幹に獅噛みつこうと藻掻いた。武夫の方も死にもの狂いで、満身の力を竹の棒の先に籠めて、ピシリピシリと殴りつけた。
ギギイッ。……
という怪声をたてると、かの怪虫は遂に樹からブランと宙吊りとなり、そして次の一撃で幹を離れると、黒い巨体がパッと下の草叢の中に落ちていった。
笑う怪人
「ほら、落ちた……」
武夫が呶鳴ると、下から絹を裂くようなお美代の声が聞えてきた。