Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Lesen Sie 地球盗難 (ちきゅうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.072 Zeichen · 168 Bildschirme
辻川博士の怪生活
それは何といって形容したらよいか、実にグロテスクな光景だった。
怪博士と大入道赤ン坊の姿は、間もなく木立の蔭になって見えなくなってしまった。……
お美代と大隅理学士とが、坊やの失踪に気がついたのは、まだそれから程経っての事であった。
辻川博士の怪生活
大隅理学士は、それから後三日間というものは、宿に閉じ籠って、一歩も外へ出なかった。打ち重なる変事が、彼を臆病にしたのであろうか。いやいやそうではなかった。
彼はその三日の間を、宿の一室で暮したものの、その間の活躍ぶりは、炎熱灼くがごとき外に出でて毎日二十キロの道を走るよりも数倍激烈なものであった。彼はその間に、熱心に横文字の書いてある原書を幾冊となく読み耽った。そして赤鉛筆でもってところどころに傍線を加えていった。しかし一冊を読み終るたびに、彼は長大息した。
「……駄目だ。この本も駄目だア」
彼は机の上から原書をつき落とすようにして、紙を展げると何事か一心不乱に書いた。訳の分らぬような図面も描いた。だがそれも最後へ来て、怒ったように、一枚のこらずビリビリと引裂いてしまった。それから彼は、机の上に両肘をつき、両手の指先でもって頭の毛を掻きむしり、悶えた。