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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

Lesen Sie 地球盗難 (ちきゅうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.072 Zeichen · 168 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は身に迫る危険をハッキリ感じた。彼は両手を壁に、両足を床につけてウンと突っぱってみた。そうして床の上ってくるのを防ぎとめたいつもりだったけれど、床はそんなことに無頓着のように、ジリジリと上ってくるのであった。

やがて卓子も床と同じ高さになって、ジリジリと上ってくる。椅子も床の中に紙を重ねたように吸いこまれてしまう。今や床の上には、佐々の身体がただ一つ残っているばかりとなった。

佐々の死にもの狂いの努力も甲斐なく、彼の身体はロケットの尖端に、まるで壜詰の薤のように押しつけられてしまった。そこには丁度首が入るほどの穴があいていた。もともと首を入れさせるためだったかもしれないが、とにかくそこに首をさし入れないことには、背骨がポキンと折れてしまいそうだった。だから止むを得ず、佐々は首をさし入れた。

そこは厚い硝子張りになっていて、四方がよく見渡せた。しかし眼にうつるものは、生憎暗い夜空と、月光の流ればかりだった。彼はなんのために、こんな穴に首を入れているのだか、一向訳が分らなかったのである。

そのとき突然、耳もとで人の声がした。

「どうだ、何か痛みを感じないかネ」