Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Lesen Sie 地球盗難 (ちきゅうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.072 Zeichen · 168 Bildschirme
……ホラホラ辻川のロケットが、また首を建て直したようじゃ。さあもっともっと電圧を上げて下され」
「……河村さん。もうその辺で勘弁してやったらどうですか」
河村と呼ばれた繃帯男こそは、大隅学士がロケット室の中に胸に剣を刺されて仆れているのを見た怪人物だった。彼は生活力の強かったせいか、大隅の介抱の甲斐あって、深傷にも屈せず元気をもりかえしたのだった。彼こそは、いま博士邸の檻の中に収容されている河村武夫の父親であった。その昔、博士の仕事を手伝って、この矢追村の沖に錨を下ろした外国船に使いをした三人の人物のうちの一人だった。彼はなぜか、博士に対する怨恨に燃えて野獣のようになっていた。
彼は博士がロケットを操縦して天空に舞いあがっていると聞いて、ゲタゲタと物凄い形相をして笑った。そして大隅学士をこの塔の真下にある発電室に案内すると、そこにある磁力砲を使って、さんざんに博士のロケットを見えない磁気線弾で悩まし続けたのだった。磁力砲の前には博士自慢のロケットも、まるで風に吹きとばされる羽毛のように無力であった。その無惨きわまる空中の翻弄ぶりは、塔の天井にある大きな電子望遠鏡を透して、大きなスクリーンの上にマザマザと映写しつづけられていたのだった……。