Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
ところが、ぼくたちは、あやしいやつには、いちども出くわさなかった。すると、どこか、このへんの木のしげみにでも、かくれているのかもしれないね。」
刑事たちは、いぶかしそうにいって、てんでに懐中電灯をつけると、また三方にわかれて、捜索をはじめるのでした。
しばらく、しげみの中をさがしまわりましたが、どこにも、にせの一郎青年のすがたはありません。四十面相は、またしても魔法をつかって、消えうせてしまったのでしょうか。
そのとき、さがしつかれた刑事のひとりが、ふと空を見あげました。
「アッ! あすこだ。あすこにいる。」
西洋館の二階の屋根のてっぺんに、恐ろしいすがたが立ちはだかっていました。外灯のぼんやりした光をうけて、夜空の中に、あのこうもり男が、つっ立っていたではありませんか。
にせの一郎青年は、いつのまにか、こうもり男にばけて、大屋根にのぼっていたのです。
どうして、あんな高いところへのぼることができたのでしょう。あとでわかったのですが、四十面相は、あらかじめ、大屋根のてっぺんから、窓の外へ、黒いつなをたらしておいたのです。
そして、窓をとびだすと、そのつなにすがって、さるのように、するすると、大屋根までのぼりついたのです。