Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
その細引が弓の弦のように張っているのを伝わって矢のように早く、見上げるような高塀を上って行ったその身の軽いこと、業の早いこと。
それを見届けてホッと息を吐いた南条という壮士は、多勢の中へ躍り込んで、非人の持っていた六尺棒を奪い取り、
「五十嵐!」
と一声叫ぶと、
「おうー!」
ほど遠からぬところで勇ましい返事。
徽典館の少年たちが家路へ帰りがけに、猛然たる犬の吠え声に驚かされたのは、牢内にこの騒ぎが起ったのと前後しての時であります。
暫らくして町々を縦横無尽に人が走りました。彼等がいま帰って行こうとする方向から夥しき人が走って来て、ただでさえ霧中に捲かれている彼等をひきつつんでしまいました。
「ど、どうしたのだ、何事だ」
「破牢、破牢、破牢」
少年たちは丸くなって、そうして自分たちを取囲んだ慌しい人々に詰問の矢を放ちながら、おのおのその帯刀へ手をかけました。その理由はすぐ判明し、嫌疑はたちどころに晴れてしまいました。
取囲んだのはお組番や牢屋同心。彼等を取囲んで仔細に検分したのは、もしやと破牢の罪人を取調べのため。
そこで少年たちは、今夜という今夜は、いよいよ容易ならぬ晩であることを知りました。