Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

寝ていた机竜之助は、何を思ったか、むっくりと頭を上げて起き直り、

「お銀どの」

「はい」

「あの、ここは何村というのであったかな」

「ここは東山梨の八幡村」

「東山梨の八幡村?」

「八幡村の大字は江曾原と申すところでございます」

「八幡村の江曾原!」

竜之助がいま改めてそれを聞くのはあまりに事が改まり過ぎる。ここへ来てからも相当の日数があるのだから、仮りにも現在の己れのいる土地の名前を記憶しておらぬということはあるまい。けれどもこの人は、初めてそれを聞くもののように、念を押して尋ねて再びそれを繰返しました。

「して、いま我々が厄介になっている家の主人の名は」

「小泉と申します」

「小泉……それに違いないか」

「いまさら、そのような御念を」

「八幡村の小泉家――そこへ、拙者も、お前も、今まで世話になっていたのか」

「それがどうかなさいましたか」

「小泉の主人というのは、拙者の身の上も、お前の身の上もみんな承知で世話をしているのか」

「いいえ、わたしの身の上は知っておりますけれど、あなたのことは少しも」

「それと知らずにこうして、隠して置いてくれるのか」

「左様でございます」

「お銀どの、そなたの家は甲州でも聞えた大家であるそうじゃ」