Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

息を切って米友が馳せつけたのは、例の役割市五郎の宅の裏手。

「こんにちは」

米友は、せいせい言って、そこに庭を掃いていた折助に挨拶しました。

「何だ」

折助は米友を見て怪訝な面をしました。

「少しお聞き申してえことがあるんだ」

米友は唾を飲んで咽喉を湿おしました。

「何だ何だ」

折助は米友が、あんまり一生懸命に見えるから笑止がって箒を持った手を休めました。

「今、ここへ娘が一人、入ったろう、仲間につれられて娘が一人入ったろう」

「ふん、それがどうしたい」

「それを聞きてえんだ、あの娘はありゃ、この家に奉公している娘かい、それともまたよそからお客に来た娘なのかい」

「それをお前が聞いてどうするんだ」

折助は突き放すように答えました。

「それを聞かなくちゃならねえことがあるんだ、後生だから教えてくれ」

米友は突き放されじと焦き込みました。焦き込めば焦き込むほど、米友の調子が変になりますから、折助などが嘲弄するには、よい材料であります。

「ははは、ずいぶん教えてやらねえもんでもねえがの、いったいお前はどこの何者で、あの娘っ子とは、どんな筋合いがあるんだ、それから聞かしてもらった上でなけりゃあ骨が折れめえじゃねえか」