Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

能登守がまたそれに相手にならず、勉めて避けている態度を、奥床しいとも歯痒いとも見ている人もありました。しかし、公の席で、こんなふうに正面にぶつかりそうになる形勢は初めて見ることであります。ことに今日は神尾主膳から仕掛けて行って、敵を引張り出そうとする形勢が歴々と見えるから、能登守のために密かに心配する者もありました。それを太田筑前守がなんとも言わないのは、いよいよ以て怪しからんことです。両々共に騎虎の場合になって退引ならないのでありますから、この時に、太田筑前守がなんとか言って調停しさえすれば、とにかく鶴の一声でこの場は納まるべきはずであります。それを無言っている筑前守の気が知れないのであります。

筑前守が調停しないものを、それ以下の者が口を出すわけにはゆきません。それを神尾はいよいよ得意になって、

「列席のおのおの方にもさだめてお聞きづらいことでござろうけれど、さいぜんも申す通り、これを聞捨てに致し見捨てに致す時は、我々旗本の名誉が地に落つる、それ故、言い難きを忍んで申し上げる、おのおのにもお聞きづらきを忍んでお聞き下されたい。さて、御支配、駒井殿、ここでそれを申しても苦しうござりますまいか」