Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
の大切の胡麻のついた握飯を盗った奴はどこにいる、ここへ出て来い」
米友は眼をクルクルして堂の中や、堂の後ろを見廻したけれども、人の気配は無いのであります。それで米友も、怒ってはみたけれど、拍子抜けのようでもあり、自分ながら解せないのであります。人通りの多かるべきところでもないこの山路で、こんなにすばしっこく握飯を掠められようとは、米友としても思い設けぬことでもあり、ことにその傍には、ほかに荷物を入れた風呂敷包もあれば、笠や杖もあるのに、それらには眼も触れないで、握飯だけを取って行ってしまったのは、よほど食辛棒の泥棒か、そうでなければ、飢えに迫っての旅人の仕業としか思われないのであります。そのいずれにしても、この僅かの間にそれをせしめるというのは、敏捷を以て誇りとする米友には、癪な芸当であると思いましたから、米友は、一旦は怒って、それから後は空しく竹の皮の亡骸を見つめて思案に暮れていました。
米友はじっと腕組みをして思案に暮れている時に、頭の上の栗の大樹の梢で、
「キャッキャッ」
という声。米友が頭を上げるとその大樹の幹に、一群の動物がいることを知りました。