Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

抑えられた猿は苦しさに絶叫したけれど、浅ましいことに、胡麻のついた握飯をその手から放すことではありません。

「手前たちは憎らしい畜生だ」

と言って米友は、猿の頭を二つ三つぶんなぐりました。猿は殺されることかと思って、苦叫絶叫して悶掻いたけれど、米友は懲らしめるだけで、事実殺す気はなかったものらしくあります。少しばかり懲らしめて突っ放してやるつもりで、二ツ三ツぶんなぐったのを、当の猿は殺されるのだろうと思って、あらん限りの絶叫をしました。

そうすると樹の上に見ていた猿どもが、バラバラと樹から飛んで下り、一様にキャッキャッと物凄い叫びを立てました。

その物凄い叫びを聞くと、どこにいたか知れない無数の猿が、谷から谷、樹から樹を潜って、続々として走せ集まって来ました。その面の色は、いずれも物凄い色をして眼を剥き出し、白い歯を剥き出して、丸くなって米友をめがけて襲いかかって来ました。

米友は猿を怖れるのではありませんでしたけれど、その数の多いのを見ては驚かないわけにはゆきません。そうして彼等の面が、いずれも獰悪な色を現わしていることを見て取らないわけにはゆきませんでした。