Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

下になった踏台はそれでも別に不平は言わないのであります。なぜならば明晩は、自分が同じようにして人の頭を踏台にすることができるのだから、鎌倉権五郎のような野暮を言うものはありません。

しかし、この頭は踏台としてはあまりに円くありました。坊主の頭に円くないのは無いようなものだけれども、それにしてもあまりにまる過ぎたから、危なくツルツルと辷りそうなのを、体を転じて辛くも飛び下りました。

第二の亡者はそれでも幸いに肩を踏んで無事に入りました。第三のはまたツルツルした頭を踏台にして、第一と同じように危なく飛び下りました。そのほか、第四、第五も、肩を踏台にしたり頭を踏台にしたりして、ともかく迷い出でた五人の亡者は、また無事に寺へ舞い戻ったのであります。

勿論、これは深更のことであり、また秘密の行いでありますから、極めて物静かに行われたのであります。外から来た亡者はもとより口を利かず、中にいた踏台もまた一言半句を言わないで、あちらを向いて従容として踏台の役目を果してしまったのであります。

そうして彼等は無言のうちに寝室へと急ぎ、踏台もまた、いつか知らない間にどこへか片づいてしまいました。