Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
この女というのは、別人ではなく――両国で女軽業師の親方をしていたお角であります。
その雨の降る日に、お角は帳場に坐っていました。
「お千代さん、それでは三番のお客様も、今日は御逗留なのだね」
と言って、お千代という女中に尋ねました。
「はい、今朝は早くとおっしゃっておいででございましたが、お足が痛いからとおっしゃって、もう一日お泊りなさるそうでございます」
「そりゃそうでしょう、あのお御足では……あまり旅にお慣れなさらないお方のようですね」
「ほんとに女のようなお若い、お美しいお侍でいらっしゃるのに、お足を、あんなにお痛めなすっては、おかわいそうでございます」
「お見舞に上ってみましょう」
お角はこう言って、その足を痛めた美しい侍の、三番の室というのを見舞に行こうとしました。
ここで話題に上った三番の室というのは、それは兵馬とお君との部屋をいうのではありません。二人のいるのは一番の室であります。今の話の三番の室には刀架があって、大小の刀が置いてあります。その前の床柱に凭れてキチンと坐っているのは、兵馬よりは二ツ三ツも若かろうと思われるほどの美少年であります。