Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

「これから私が案内をして上げます、御安心なさいまし」

馬子はお松の先に立って、崖道を桂川の岸へと下りて行きます。

しばらくしてこの馬子は、桂川の岸にある船小屋のところまで来ました。そこで振返ってお松の面を見て莞爾と笑いました。お松は提灯の光でその面を見たけれども、その意味を解すことができませんでした。

小屋の中には誰も住んではいません。炉の中には火もなければ、燃えさしもありません。

馬子は提灯を羽目の一端にかけて置いて、床板を上げるその中から、空俵を程よくからげたのを一つ取り出しました。それを手早く解して開くと、その中にいつ用意してあったのか、一組の衣類と、見苦しからぬ拵えの大小一腰が現われました。

馬子は自分の衣裳を脱ぎ捨てて、空俵に包んであった衣類を着替えてしまいました。それもまた見苦しからぬ武士の着る衣裳であります。衣裳を着替えて、帯を締めて、それから足をこしらえにかかる手順が慣れたものであります。

身仕度をしてしまってから、腰をかけて草鞋を二足取って、その一足をお松の前に投げ出し、

「これをお穿きなさい」

お松にあてがって、自分もまたその一足を穿く。