Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

主膳はお銀様の目の前でその刀をスラリと抜き放ちました。

「あれ!」

お銀様が驚いて飛び上ろうとするのを、主膳は無手と押えてしまいました。

「さあ、刀の自慢というのは拵えの自慢ではない、拵えは悪くとも中身がよければ、それが真実の刀の自慢じゃ。お銀どの、そなたは今この刀の拵えを結構なものじゃというて賞めた、中身を見てもらいたい、このくらいの縁頭や目貫は、そなたの家には箒で掃いて箕で捨てるほどあろうけれど、この中身ばかりはそうは参るまい。さいぜんも申す通り、甲州一円はおろか、日本六十余州を尋ねても、二本三本とは手に入らぬ自慢の神尾主膳が差料、誰にも見せたくはないものながら、ほかならぬそなたのお目にかける、篤と鑑定がしてもらいたい」

神尾主膳はお銀様に刀を見せるのではなく、お銀様を捉えて刀を突きつけているのでありました。

「わたくしどもなどに、どう致しまして、お刀の拝見などが……」

「左様ではござらぬ、篤と御覧下されい」

「どうぞ御免あそばしまして」

「刀が怖いのでござるか」

「どうぞお引き下さいませ」

お銀様は鷹に押えられた雀のように、ワナワナと顫えるばかりであります。