Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
発狂して親戚に預けられた呉服屋の若い亭主が、その子供を背に負うて何か言いながら、当途もなく町を歩いていることであります。
その若い亭主は、どこを目当ともなく歩いていましたけれど、時々休んではゲラゲラと笑います。そうすると背中にいる子供は、それを喜んで、またキャッキャッと笑い興じているのであります。
それらのことを知るや知らずや机竜之助は、ちょうどそれから三晩目の夜中に、そっと躑躅ヶ崎の古屋敷を抜け出しました。
頭巾を被り、羽織を着、刀を差して、竹の杖をつくこと例の通りにして、いつのまにか愛宕町の東裏へその姿を見せましたが、そこへ来ると境町の方からズシズシと数多の人の足音が聞えました時に、竜之助は、時の鐘の櫓の下へ蜘蛛のように身を張りつけて、その足音をやり過ごしました。
「こんなところが剣呑じゃ」
と言って過ぎ行く一隊の中で、六尺棒を突き立てて暫らく時の鐘の櫓の下に立っている者もありました。
「斬る方では、こんなところが究竟だけれど、わざわざこんなところへ斬られに来る奴はあるまい」
そんなことを言って行き過ぎてしまいました。これは辻斬を警戒するために組織された一隊の足軽たちと見えます。