Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
日が暮れかかって、このさびしい野原のまん中を唯ひとりで行くよりも、路連れのある方が気丈夫であると思ったのと、もう一つには僕の祖母がふだんからこの尼を尊敬して、尼が托鉢に来るときには必らず幾らかの米か銭かをやるのを見馴れているので、僕も尼に対しては一種の敬意と懐かし味とをもっているためであった。
宗旨はなんだか知らないが、尼はきょうも隣り村へ托鉢に出たとみえて、片手には鉄鉢をささげていた。片手には珠数をかけて、麻の袋をさげていた。袋のなかには米のはいっていることを僕は知っていた。尼はしずかに歩きながら優しい柔かい声で僕にいろいろのことを話しかけたが、子供の僕は軽く受け答えをするだけで、大抵はだまって聞きながら歩いていた。原を通りぬける間、路を行く人には一人も出逢わなかった。
尼の足が遅いので、原をぬけた頃にはもう暮れ切ってしまって、僕とならんで行く尼の顔も唯うす白く見えるばかりであった。夕の寒さはだんだんに深くなって来て、青ざめた大空の下に僕の村里の灯が微かに低く沈んでいた。原の入口には石の地蔵がさびしく立っている。古い地蔵は二十年ほど前の大雪に圧し倒されて、鼻や耳をひどく傷めていたので、その後新しく作りかえるに就いて、日光の町から良い職人をわざわざ呼んで来て、非常に念を入れて作らせたのだとかいって、村の